障害年金を申請されたきっかけを教えてください
精神障害者手帳を役所に貰いに行った時に障害年金の事を知り、その足で年金事務所に行ったんですよ。情報を聞いてすぐじゃないと僕は忘れてしまうので、ADHDの衝動性を利用して自分で障害年金申請の準備に取り掛かりました。
申請にあたり懸念材料はありましたか?
初診日の証明が大変だった事ですね。精神では今まで3つの病院にお世話になっているのですが、初診日を調べるにあたり1番初めにお世話になった病院は既に閉院していました。発達障害だと判明していない8年前の受診で当時は不安障害と診断されていたんです。その病院に書いて貰った紹介状で2つ目の病院に転院して、そこが初診日の病院になっています。
どのような手順で年金申請準備を進めたのでしょうか?
基本的には年金事務所の職員に指示された動きで受給出来ました。「①初診日を確認 ②今まで掛かった病院に全て出向き書類を用意して貰う ③自分で書く申請書の用意」ですね。
②の書類はどこの病院で何の書類を用意して貰ったか覚えていないのですが、受診状況証明書と診断書だったと思いますね。
ご自身で申請書を書く中で苦労した点はどこでしょうか?
一番は自分が生まれてからの人生を申請書に書かなければならな4い事ですね。過去の出来事は記憶が曖昧ですから何歳の時どういう事があって、どんな症状で苦労したのかを年金が受給出来るように書くのが大変でした。障害年金申請用の雛形を年金事務所で貰ってきて、それを参考に記載しましたが、受給ジャッジのポイントがこちらでは解らないのですよ。また、今まで行った事がある3つの病院に連絡を取り書類を用意して貰うのも根気のいる作業なのでお金出して社労士にやってもらう気持ちもよく解りますね。
年に幾ら障害年金は貰っていますか?
僕は3級なので最低額ですね。確か年間58万5000円だったと思います。3級だと家族分の追加は無いですが、当時正社員の一般枠で働いていても受給出来ましたね。「仕事をしていると貰えない」と言う医師もいますが、僕は受給出来たので参考にしてみてください。
遡り請求は成功しましたか?
遡り請求自体をしていないですね。初診日の病院が閉院していた為、8年前に遡れなくて諦めました。これが取れると数百万のお金が入って来るので大きいのですが、欲を出さずとも障害年金が受給出来た事が喜ばしいと感じています。現在は障害者枠の仕事をしており、給与は一般枠の頃より落ちましたが障害年金のおかげで生活に支障が無く助かっています。
医師に書いて貰った診断書はどのようなものでしたか?
「自身では積極的に出来ず援助が必要」となっている項目が多かったです。僕の場合、先に申請書を作成して医師に診断書を書いて貰いました。診断書の内容を見て貰う為に妻が同行したのが良かったと思っています。ヒアリングの中で「あれもこれも自発的に出来ていない」という事が判明し、診断書を書き直して貰いました。医師は病院に来院している時の状況しか解らず、日常の生活っぷりは近親者からの言葉添えが有効ですね。僕の場合は一人暮らしをしていた時は本当にめちゃくちゃでご飯は食べないし、お風呂にも入らない。お金は有るだけ使ってしまうような生活をしていたので、その事実を証言して貰う人が居ると診断書と申請書の困り事の一致がしやすいと思います。
POINT
一般枠の正社員でも厚生年金3級は受給出来た
診断書の「日常生活の能力」は近親者に証言して貰うと申請書の困り事と繋がりやすくて良い
初診日の病院が閉院している可能性もあるので転院している場合は諸々注意が必要